ライゲーション研究ツール研究効率化calculator

ベクター:インサートのモル比計算機

Research Tool

ベクター:インサート モル比計算機
Vector - ul
Insert - ul
Remaining - ul

ベクターとインサートのライゲーションで、それぞれを何µLずつ混ぜればよいかを計算するツールです。目的のモル比・各DNAの長さと濃度・最終volume・ベクター投入量を入力すると、必要なインサート量とピペット量が求まります。

使い方

上のツールに、次の値を入力します。

  • モル比(ベクター : インサート、既定は 1 : 3)

  • ベクター/インサートの濃度(ng/µL)

  • ベクター/インサートの長さ(bp)

  • 最終volume(µL)と ベクター投入量(ng)

モル比の考え方(なぜ 1:3 が基本か)

ライゲーションで重要なのは、質量比ではなく 分子の数の比(モル比) です。長いDNAほど同じ重さでも分子数が少ないため、長さで補正する必要があります。

  • 一般的な出発点は ベクター : インサート = 1 : 3

  • うまくいかない時は 1:1〜1:5 の範囲で振る

  • 平滑末端(blunt)は連結しにくいので、インサート比を高め(1:5 など)にすることが多い

計算式(ng ↔ pmol 換算)

二本鎖DNAは 1 bp あたり平均 約 650 g/mol なので、DNA量とモル量は次式で換算できます。

pmol=DNA量 (ng)×1000塩基対数 (bp)×650\text{pmol} = \frac{\text{DNA量 (ng)} \times 1000}{\text{塩基対数 (bp)} \times 650}

目的のモル比に必要なインサート量(質量)は、次式で求まります。

インサート (ng)=ベクター (ng)×インサート長 (bp)ベクター長 (bp)×モル比\text{インサート (ng)} = \text{ベクター (ng)} \times \frac{\text{インサート長 (bp)}}{\text{ベクター長 (bp)}} \times \text{モル比}

例:50 ng のベクター(3000 bp) に、800 bp のインサートを 1 : 3 で入れる場合、

50×8003000×340 ng50 \times \frac{800}{3000} \times 3 \approx 40\ \text{ng}

インサートが約 40 ng 必要と分かります。あとは濃度から必要µLが決まります(上のツールが自動で計算します)。

うまくいかない時(トラブルシュート)

  • コロニーがほとんど出ない → インサート比を上げる(1:5〜1:7)、ライゲーション時間を延ばす、DNA量が少なすぎないか確認

  • セルフライゲーション(インサートなしのコロニー)が多い → ベクターを脱リン酸化(rSAP / CIAP)する、インサート比を上げる

  • 比が安定しない → ゲルや蛍光定量で濃度を正確に測る。濃度がずれると比もずれる

よくある質問

Q. モル比は質量比とどう違う? モル比は分子の「数」の比です。長いDNAは同じ重さでも分子数が少ないので、長さで補正して質量(ng)に換算します。上のツールはこの換算を自動で行います。

Q. 1:3 で入らない時は? インサート比を上げる(1:5〜1:7)、ベクターを脱リン酸化する、DNA量やライゲーション条件を見直す、の順で試すのが定番です。